死生系譜
「それで…何かあったんですか?」

全員が注文を終え、一息ついた頃に翔が切り出した

「…南香織って知ってるか?」


話を切り出した先輩は一瞬顔を伏せるかの様に見えたが、正面を見据えて逆に聞いてきた

錯覚だろうか、先輩の瞳は水気を帯びていた

「田辺先輩と同い年の南先輩ですか?」

それに反応したのは瑠菜であった

俺はその人を知らない

「あぁ。知っているなら話は早い。香織は俺の彼女なんだけど…3日前から行方不明なんだ」

一気にそこまで言い切ったが、今度こそ顔を伏せてしまった

それでも、ほんの一瞬であって直に再び正面を見据えた

でも、俺にはその仕草がとても無理矢理に見えた…

「な…!?」

今の一言により俺を含めた全員の表情が固まった。

それとほぼ同時に飲み物が運ばれてきた
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