死生系譜
先輩は珈琲をゆっくりと一口流し、続けた

「3日前、サークルがあるからって言って、別れてそのまま…な」

「正直、俺は黙ってなんか居られない。警察が探し出すのを待ってられるほど大人しくないんでな。だから俺は俺なりに色々と探したんだ…」

先輩の表情を見れば結果は聞かずともわかる

警察が血眼になって捜していても何も分かってないんだ

一般人である先輩が足掻いたところでたかが知れている

「それでも…犯人とかはわからないが…いくつかわかった事がある」

俺は予想外の言葉に固まってしまった

それは皆同じだろう

「なんですか?」

皆、その話に食い入る様に聞いていた

でも、翔だけは違った

確かに、真剣に聞いているのだけど、自分なりに考えを整理しているのだろう

腕を組み、下を向いてしまっている
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