死生系譜
「フてんなって」

そう思い、ドアに掛けた手を離し恵子の傍まで行き、頭に手を置いてやる

こういう時の対処法…ってな。後で怒られるのも嫌だし

「む~…早く戻って来てね?」

「りょ~かい。んじゃな」

今度こそ部屋を出て行く。なんだかんだ言ってもやっぱり不安だろうな…まぁ、俺もそうだけど

廊下に出たところで左に曲がり、階段を降りて1階に行き、右手にあるドアを開け、先輩の待つ居間へと行く


「どうした?」

ソファーに座りノートパソコンやら手帳やらを広げていた先輩がこちらには目も繰れず聞いてきた

「恵子が目を覚ましました。瑠「まだみたいだ。まぁ、一番頑張ったみたいだしな」

俺が言い終わらないうちにそう返された

まるで、大丈夫だから。と言い聞かされているみたいな気がした

俺はそうですか。と相槌を打ち、淹れてあった珈琲をカップに移し椅子に腰掛けた


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