死生系譜
どれだけ時間が経ったのか…俺らは本当になにも出来なくて…酷く切なかった


「…ッ……悪い、んなとこ見せて…」

先輩はそのままの姿勢で、落ち着いた声だった

「いえ…俺らこそ何も出来なくて…」

「そうですよ…こういうときくらいはそういうとこ見せて下さいよ。俺らにはどうも出来ないかもしれないっすけど…」

「よく言うじゃないですか。2人でいれば悲しいのも半分だって。先輩はもう少し俺らの事頼って下さいよ」

こういう時、俺はダメなんだよな

どう声を掛ければ良いかわからない

翔がフォローしてくれて良かった

先輩は苦笑混じりに、そうだな。とだけ言い、そのままの姿勢で眠りに付いた








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