死生系譜
「おい、どうかしたのか?」

ふと、玄関の方から声が聞こえ俺の意識が覚醒した

どうやら考えながら寝てしまった様だ

昨夜は寝れなかったからな…

「今空けま~す」

出来る限り普段通りにそう言い、玄関を開けに行った

ドアを開けようとノブに手を回そうとしたときに手が震えている事に気が付いた

が、藤原の姿を見ると少し、落ち着いていくのがわかった

そのままドアを開け、藤原を招き入れる

藤原は傘を持っていた

外へと視線を向けると結構強い雨が降っていた

ドアを閉めた時に雷が鳴った気がした

お邪魔します。と言い藤原はリビングへと上がると俺に大丈夫か?と言ってきた

「まぁ、俺は大丈夫です」

今度は心の準備が多少なり出来たからか、いつも通りに反応出来たはずだ

「そうか…」

一度俺の顔を観察し、すぐに床へと視線を外してしまった

彼がどのくらいこの事を知っているのか

彼は今、どのような位置でこの事件を見ているのか

自ら言い出した事だ。俺は好奇心に似た物を感じつつも、話を切り出した…
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