死生系譜
「俺の事を話す前にさっきも言った様にお前らの事をまず聞きたい」
いつもの…いや、例えるならば試合中のミスを見つけ、それを指摘するときよりも厳しい目線で俺を直視している
幾分か納得はいかないが、有無を言わさないその目線に俺は昨日の事を伝えていった
今更思い出すなど必要の無い程昨日の事は俺に衝撃を与えていた
だが、そういう事ですら藤原には言えてしまう
それだけ俺には…いや、恐らく生徒の半数以上はこの人にそれだけの信頼を持っている
「…そして、今日の被害者は南先輩でした」
と、ここで俺は一旦区切りを付けた
コレは完全にヤバイ
不良との喧嘩に首を突っ込むとかそういう次元じゃない
俺だけの力で…いや、翔も居ようとも…警察だろうが
守れるなんて物じゃない