死生系譜
その後、俺が目を醒ましたのは3現目が終わった頃だった。

昨夜見ていたドラマのせいで睡眠不足だったからか、爆睡していたらしい。

全く、3時間も寝ててバレないなんて…などと考えながら机に左肘を突き、左腕で顎を支えながらぼーっとしていた


「キョウ、おはよう。良く寝てたね」

机の間の右前方から声をかけてきたのは恵子だ。いつもの様に早く寝ないからだの云々言われるのは嫌だが、今日は何か違う…?

「んぁ…あぁ、良く見逃してくれたよな…ふぁ~」

俺の身体はまだ睡眠を欲しているみたいだ。

瞼は重いし動くのもダルい。

「まあ良いや。それより聞いた?バレー部の立宮桐子って人の事」

聞き慣れない名前を耳にし、俺は身体を起こし話を聞く体勢を取った

「ん…誰だ、それ?」

欠伸で涙目になった目を擦りつつ、眠気で働かない頭を使い桐子と言う名を思い出そうとする。

だが思い出そうにも、そんな人間は俺の周りには居ない。

…はずだ

「はぁ…全く…4日前から家に帰ってないらしくてね。捜索願出したとかで結構騒ぎになってるよ?」

多少、オーバーな溜息と共に真剣な表情になった恵子を見て、多少興味が湧いてきた。コイツが真剣な時は何かしら起こる前兆みたいなもんだと俺は思ってるからな

「…んな事あったっけ?」

だが、いくら考えてもそんな事聞いた記憶がない。今日はアイツ―親友というのか?―と話して無いしな

恵子は完全に呆れて苦笑を浮かべていた

仕方が無いじゃないか


関係ないんだから。サッカー部のヤツらが。っていうなら話しは別なんだがな

「で、ソイツがどうしたんだ?」

だが、―こんな事言ったら殴られるだろうが―恵子が真面目な表情をしていたのが珍しく俺は先が気になり、頭は冴え渡っていた
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