死生系譜
そこまで聞いて俺は電源を落とした



わかっていた…この様な結果になる、事を…

やはり斉藤が死んだ

いや、殺された

でも

正直なところ、自分とほとんど関わりの無い人間が死んだところでそれほど実感はない

斉藤は名前は知っているが、まともに会話をした記憶もない

でもそんな他人同然のヤツとは違う

今は直美がヤバイ

恵子にとっても…

もちろん俺にとっても

“他人”じゃない

仲の良かったヤツだし、恵子にとっては親友だ

そのような“大切”な人が死んでしまう悲しみは良くわかっている

だからこそ、アイツにはそんな思いはしてほしくない

そんな事を永遠に起こさせないのは無理だとわかっている

< 94 / 154 >

この作品をシェア

pagetop