林檎と蜂蜜
帰りのショートホームルームが終わって、僕はまっすぐ図書館へと足を運んだ。梨紗は僕が放課後いつもここに居ることを知っている。とりあえず昨日読み終えた本を返して、新しく何か借りよう。そのあと今日出た課題を終わらせる。脳の中で僕なりの計画を立てる。
適当な本を探して、3冊目の本を手に取ろうしたとき、梨紗の声がした。
「猛ぃー…」
ほらね、やっぱり。今にも涙が決壊しそうな顔で、梨紗は僕を見上げている。
笑いそうになるのを堪えて、驚いた表情を取り繕って振り向いた。
「珍し。何してんのこんなとこで。」
「聞いてよっ!隆司がね、」
うん、知ってるけどね、
「待って待って、先降りるから」
本をしっかりと脇に抱えて、梯子から飛び降りた。これしたら司書に怒られるんだけど、静かに着地したらばれないはず。
と思ったら、ちょうどこちらを司書が見ていた。梨紗がすごく驚いた顔をしている。ま、運動系ではないから意外だったんだろうね。
飛び降りた拍子に少しずれた眼鏡を直したら、案の定司書がやってきた。
「上条君、危ないから止めなさいって言ってるでしょ?」
「あ、ごめんなさい。つい癖で。」
「まったくもう…。」
軽く注意して離れていく司書をよそに、僕は梨紗に振り返る。
「で、どうしたの。」
梨紗に椅子へ座るように促して、僕もその隣に座った。
適当な本を探して、3冊目の本を手に取ろうしたとき、梨紗の声がした。
「猛ぃー…」
ほらね、やっぱり。今にも涙が決壊しそうな顔で、梨紗は僕を見上げている。
笑いそうになるのを堪えて、驚いた表情を取り繕って振り向いた。
「珍し。何してんのこんなとこで。」
「聞いてよっ!隆司がね、」
うん、知ってるけどね、
「待って待って、先降りるから」
本をしっかりと脇に抱えて、梯子から飛び降りた。これしたら司書に怒られるんだけど、静かに着地したらばれないはず。
と思ったら、ちょうどこちらを司書が見ていた。梨紗がすごく驚いた顔をしている。ま、運動系ではないから意外だったんだろうね。
飛び降りた拍子に少しずれた眼鏡を直したら、案の定司書がやってきた。
「上条君、危ないから止めなさいって言ってるでしょ?」
「あ、ごめんなさい。つい癖で。」
「まったくもう…。」
軽く注意して離れていく司書をよそに、僕は梨紗に振り返る。
「で、どうしたの。」
梨紗に椅子へ座るように促して、僕もその隣に座った。