最終地点
美奈子は可笑しそうにくすくすと笑う。

「好きな女の子いるのに、なーんで他に彼女なんか作るんだか。」

髪の毛を手櫛で整える。こげ茶色のロングストレートの髪がサラリと揺れる。手鏡で自分の容姿を確認する美奈子は、これっぽっちもヒステリーを起こしたりすることはなかった。俺がそういうオンナを選んで手を出してるんだけど。

ベッドから立ち上がり鞄を手に取る。

「ま、いとしの君が駄目になったら、また誘ってよ。」

次は本気でオツキアイできるといいね。

そういって彼女は颯爽と俺の部屋を後にした。

なんで彼女作るんだか?

そんなのわかりきっている。自虐的な笑いがこみ上げてきて、嫌になって煙草を揉消した。

さて、さて。
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