来る来る廻る

「昨日ね、私…一人でパチンコ行って来たの。全然ダメだったわ、また大負けよ…最近勝負運ついてないし…暫く、パチンコは休憩しようかなと思って……」

言った、言ってしまった…パチンコにはもう誘わないでって…遠回しの言い方…。

ミサイルが発射された。
日本酒をごくりと飲み、私は…身体全体で佐々木の様子を窺う。

横を見れない、佐々木の目を見れなかった。

「そうだね、暫くね…俺もよく負けるし…ひなこに負担ばかりかけているもんな…」

声のトーンが暗かった。

言ってしまってから、後悔の思いが胸を走る。

佐々木が私に対し、お金だけで繋がっているならば、今日で終わりになるかも知れない。

もう夢の国には二度と行けないかも知れない。

どうしよう…私…お金ならまだいくらでも持っているわ。

あんな紙切れを繋ぎ止めたくて、起こした戦争じゃない…あなたの…あなたの心がどこにあるのか…知りたかっただけなのよ…それだけなのよ……。
寿司屋を出た。
今からどうするの?

私は、佐々木のセリフを待つ……。

「ひなこさぁ…俺…携帯代未納で…払わないと、明日止まっちゃうんだよね」

ミサイル打たれたのは、私の方…。

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