来る来る廻る
9 吉田ひなこ
●吉田ひなこ●
私は、この戦争に負けた。
自分からは何があっても連絡するもんか…って、向こうから連絡がなければそれで終わりにしよう…って、見切り付け、新しい道に…って、決めていたのに……。
私の意地は砂で出来ていた。
浜辺に作られた砂の城……。
海水含んだ砂でかちかちに固め、固め作ったつもりが、一波にさらわれ、跡形もなく消えた。
ワインバーへ急がなくては、早くあなたに会いたいもの……。
もうどうなってもいい、佐々木に利用されていても、お金だけで繋がっていても、それが何なの?
お金なんて、私にとっては只の紙切れ……。
紙切れ渡して、佐々木が会ってくれるなら、二人が笑って幸せなら、それでいいじゃない。
真夜中過ぎ、財布に紙切れ20枚以上入れて、私はタクシーに乗った。
辛口渋めの赤ワイン……一週間振りの再会に乾杯した。
「出会ってから、一週間も会わなかった事って初めてよね」
「あぁ、そうだね…あれから色々考えたよ。俺…ひなこに甘え過ぎてたなぁ~って、正直言って反省してた…」
「反省だなんて…」
これが嘘でも構わない。
私は、この戦争に負けた。
自分からは何があっても連絡するもんか…って、向こうから連絡がなければそれで終わりにしよう…って、見切り付け、新しい道に…って、決めていたのに……。
私の意地は砂で出来ていた。
浜辺に作られた砂の城……。
海水含んだ砂でかちかちに固め、固め作ったつもりが、一波にさらわれ、跡形もなく消えた。
ワインバーへ急がなくては、早くあなたに会いたいもの……。
もうどうなってもいい、佐々木に利用されていても、お金だけで繋がっていても、それが何なの?
お金なんて、私にとっては只の紙切れ……。
紙切れ渡して、佐々木が会ってくれるなら、二人が笑って幸せなら、それでいいじゃない。
真夜中過ぎ、財布に紙切れ20枚以上入れて、私はタクシーに乗った。
辛口渋めの赤ワイン……一週間振りの再会に乾杯した。
「出会ってから、一週間も会わなかった事って初めてよね」
「あぁ、そうだね…あれから色々考えたよ。俺…ひなこに甘え過ぎてたなぁ~って、正直言って反省してた…」
「反省だなんて…」
これが嘘でも構わない。