来る来る廻る


父が家に居なかったから、母は余計に、同じ異性である弟に執着したのだと思う。


小さい頃から私は、事あるごとに母と意見対立…私も全然言うことなんて聞く子供じゃなかったし、母からみれば全く可愛くない子供だったと思う。

お互い親子同士でいながら、何故か張り合って生きてきた。


そぅ…親子の前に私達は女同士だった。

私の心の拠り所は、父の母である、おばあちゃんだった。

田舎にいたんだけど、連れ合いのおじいちゃんを亡くし、一人ぼっちになってしまった為、私が小学生の時に、おばあちゃんは我が家に引っ越して来た。

初めの頃は、お互いに気をつかっていたと思える、母とおばあちゃんの関係……いつ頃からかずれてきた。

そして対立が始まった。

弟は母派、私はおばあちゃん派、2対2の凄まじい戦争の末…勝ったのは…母チームだった。

おばあちゃんは家を出て、老人ホームに行く事になった。

戦友と別れる日、私は悲しくて哀しくて…涙が止まらなかった。

その頃、私は中学生…週に一度のペースでホームまで会いに行った。

バスに乗り、9個目の停留所。


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