来る来る廻る


世間の手前、初めは渋っていた母も、本当はこんな爆弾娘なんていらないんだ、愛する息子と穏やかに暮らしたい筈…二回の説得ですんなり納得…私は家を出た。

あまりにも早熟な、ませた女子高校生。

私は16年でほとんどの事を経験した。

自由の怖さも……裏腹な人の言動も……生きる哀しみも……男の喜ばせ方も…女の喜びも……もう既に会得していた。

家からの生活費だけでは、遊ぶ金に困った。

そんな時、ヤクザ研修生の彼が、仕事の話を持ってきた。

それは、売りの元締めだった。

商品は私の友達……。

金の欲しがる子を見つけ、彼が探してきたお客に世話をする。

そぅ、悪魔に肉体を売る…私はブローカーになった。

何も嫌がる友達を無理矢理強姦する訳でもない。

需要と供給の世界…。

どちらも喜んでいるんだから…誰にも悪い事してないじゃん!

逆に、感謝してもらいたいくらいよ。

と…その時は、自分の考え、生き方、若さに自身満々だった。


シンナー、万引き、恐喝と言った子供じみた不良ごっこは…もう卒業した。


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