来る来る廻る


検査結果………陰性。

ガクガクする両足を抱え込み、安堵と反省の渦巻く中、私は泣いた。

  ごめんなさい。

  許して下さい。

悪魔に土下座して、私は頼んだ。

売った肉体を返してくれと…哀願した。

もう二度と、心伴わないエッチはしない事を条件に…許しを乞いた。

それから後……衝撃的な出来事が……あのキャリアの連れが…………自殺した……と情報が入った。

私達に大切な事を教える為…一つの命が犠牲となった。

悪魔は、ニコッと微笑みながら…舌を出し…いけにえを持って去って行った。


収入元を無くした彼は、私の部屋で入り浸り…何か事あるごとに暴力をふるうようになっていった。

金が切れると人の顔は歪む、心は落ち着きを無くす。

それから、また客を探してきては、商品を探せと要求してきた。

もう商品なんてどこにもなかった。

皆、売りはやめたんだ……って訴えたら……それならば、お前が商品になれ……と言った。

うん? 私の聞き間違い? もう一度言って。

お前が商品になれよ………。


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