来る来る廻る


服を脱がせ…彼の舌が…耳を…首を…乳房を這う……。

この男はいったい何をしてるの?

どんなに、いじくりまわそうが…何も感じない…もう私の魂には届かない…。

その時感じた事…彼の舌がウジ虫に思えた…何で、こんなウジ虫を今まで、気持ちいいと錯覚してきたんだろう。

  気持ち悪い。

  終わりが来た。

私はゆっくりと深呼吸した後…尖ったネイルで、瞳ごと掻きむしってやった。

「うわぁ~」

花柄で可愛くアートされたネイルは、女を守る武器となった。

顔面から血の吹き出た彼は、驚き私の上から降りた。

タオルを顔にあて……その日、彼は部屋から出て行った。

自分の爪を見る。

爪先に、少しでもウジ虫の細胞が付いていると思ったら吐きそうになった。

石鹸で何度も何度も、執拗に手を洗ったあの日……。

高校2年、17歳……男と女の修羅場を……私はくぐり抜けた。



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