来る来る廻る

それから、普通に無事に高校卒業…三流の大学に進学した。

でも私は、早く働きたかった。

一度覚えた贅沢は、なかなか元には戻せない。

売りをしてまで、欲しい物を手に入れたいとは思わなくなったが…お洒落には生きたい、キラビヤかに女を満喫したい。

親からの学費、生活費だけでは、とても遊ぶ金がない私は、バイトを始めた。

就職先は…キャバクラ。

体は張らない、純情お嬢様気取り、男心を巧みに操作する。

体を許すみたいなギリギリの線まで持っていき、財布の紐を緩めさす。

そして私は、欲しい物を次々と手に入れていった。

朝は眠い…大学は休みがちになり、今は全く行ってなくて、宙ぶらりんの状態…って事、親は知らぬが仏…。

何があったって、心伴わないエッチはしないと決めていた。

商売エッチ、妥協エッチ、行きずりエッチは…もう私の辞書から消えていた。

そぅ、私はキャバ嬢の優等生。

源氏名リコ…全て知り尽くした顔に、何も知らない仮面つけて、獲物を物色する。

見せかけの餌に、客は食い付いてくる。

その餌が実在でない事に、誰も気付かない。

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