来る来る廻る
次の日、見せかけ眠り姫からメールが入った。
「佐々木君、昨日はメールくれていたのにごめんね。もう夢の中だったわ。それと…おばあちゃんの病院代、本当にありがとうね。お仕事終わったら、病院へ行ってきます。今夜の予定は? もし都合よければ、会いに来てね。この頃、佐々木さんの顔見ないと落ち着かなくて……リコ」
今、この気持ちは…とても言葉なんかでは表現出来ないや…。
憎い女なのか、愛する女なのかわからない。
ただ…やるせなさだけが残る…他に気持ちが見つからない。
返信する言葉も見つからない。
夕方、イーグル呼び出し居酒屋に行った。
「佐々木君、何かあった?どうしたの?全然元気ないよ」
「いや…別に…」
イーグルに酒をついでやりながら、俺は考えた。
人に恋すると言う事は、こんなにも辛い事だったのか…イーグルも可哀想に…こんな俺に惚れたばっかりに…いいように利用されて…されてる事も知らないで………。
いいや、真実なんか知らない方が、人は幸せなのかも知れないな。
人は、心が見えないから生きていけるんだろうな……もしも、心があぶり出されたら…俺は…1日足りとも生きてられないや……。