来る来る廻る
私達は店に急いだ。

今日が最終日だと言う事、店長しか知らない。

何で?って…キャバ嬢は、その店やめても暫くは休みと言う形にされ、確実にやめたと客が気付くまで、店に来て貰うしくみになっている。

その間に、違うキャバ嬢とすり替え出来れば、店の思う壺。

でも…客を持って店変わるキャバ嬢もいるし…やめる時は、店とキャバ嬢の戦いみたいなものね。

私の場合は、初めから行方不明が目的…だから店側にとっちやぁ、嬉しいやめ方で…私が今日で最後だと、佐々木の連れのサブマネージャー岡野でさえ…知らない事だった。

「リコ、休みん時は、おばあちゃんの病院なんだよな」

「ええ…そうだけど」

「日曜日さぁ、1時間でもいいから、出て来れないかな?晩飯でもどうかなって?」

「日曜日?」

「あぁ……」

「わかったわ、日曜日って、あさってね、何時がいいか、また私から連絡するわね」

今日は金曜日……。

私は明日、携帯ショップに行くつもりだった。

番号変えるから、あんたと私を繋ぐパイプラインは、明日でもう終わり……。

そんな幸せそうな顔してるけど…もう、エンドなのよ……。

哀れな男………。


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