来る来る廻る


何がデジタルの海だよ、パチンコなんかしてる暇ねえよ。

深夜から仕事もあるし、それに…まだATMから金も引き出してねぇのに……。

「今日はパチンコには行きたくない。ひなこ…早くお前に触りたいよ。ここ出たら行こうよ、なっ…」

イーグルはニコッと照れ笑い、コックリと頷いた。

俺の専属ATM、引き出し作業には少々手間取るが…俺の金が減る訳でもないし、返さなくてもいい金だから…この生きたマシーンは俺の宝物さ。

これで、明日のデート代も確保した。

後は、リコからの連絡待つのみ。

イーグルと別れ、俺はライオン小屋に向かった。衣装は、店のロッカーに入れてあった。

何事もなく普通に、長さんの下で接客のヘルプ……。

時折、サイレントモードの携帯を確認…未だ、リコからは何も連絡がなかった。

昨日、店も行ったのに、いつもなら営業兼ねてのお礼メールぐらいくれる筈なのに…おかしいな…?

まぁいいや、約束は明日だから…まだ明日があるさ……。

早朝、布団に倒れ込んだが、携帯は丁寧に枕元に置いて寝た。

  着信は最大音。

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