来る来る廻る
もぎ取られた羽の傷が癒えるなら…この体が、あなたの傷の薬になるなら…新メニューフェアなんか…仕事なんか…いらない…。
いつになく佐々木の激しい動きは…私の魂を揺さぶる…この上り詰める感覚を体に教えたのはあなた…この世界に一人だけ……。
まどろみの中に…時間は流れた。
遅刻どころか…もう仕事に行く気力さえも無くした。
傷と薬は一体化……。
私と佐々木……いったい、どっちが傷でどっちが薬かわからない。
その日を境に…私は仕事を捨てた。
10年かけて築き上げた女王の座から…私は自ら引退した。
上り詰めた職位は……上り詰める快感に負けた……。