来る来る廻る
大学卒業後、就職先が家から遠い事もあり、通勤時間が勿体ないよ…と一応の名目作った俺は…晴れて一人暮らしする事になった。
ラッキー!
これで誰に気づかいする事なく、料理が出来る。
家具や家電製品、インテリアに凝るよりも、俺は先ず、キッチン用品を死ぬほど買い揃えた。
商社の営業しながら、部屋に帰っては料理の研究に明け暮れた。
たまには弁当も持参したが…周りの者は、母親か彼女が作っているものだと思っていた。
独学だけでは物足りなくなった俺は、本格的に勉強したくなった。
そこで、クッキングスクールに入り、講師の松田菜々子に出会った……。
菜々子………。
週に二度の料理教室が、待ち遠しくてたまらなくなった。
料理と菜々子に会える楽しみと…二重の喜びだった。
そして、俺はデートに誘った。
すんなりOK!えぇぇ~
恋は発展していった。
デートコースは、いつも食べ歩き♪
料理好きを、初めて理解してくれた彼女に、身も心もドップリ浸かり、俺は全身全霊の全てを許せた。
こんなにも波長ピッタリな女性が…いいや…同じ人…人がいたんだ……。