来る来る廻る
何で!何で菜々子なんだよ!
菜々子を、菜々子を返してくれよ~
こんな別れ方はないだろうよ~
途中で消えるなら、何で俺の前に現れたんだよ~
みやげ二個置いていきやがって、俺は…俺は…いったい…これからどうしたらいい?
菜々子、教えてくれよ~
泣いてもわめいても…あがいても…怒っても…変わる事のない現実…俺は、娘二人を見た。
俺の半分しかない小さな手を4個、俺は自分の両手で包み…考える。
ここにいる、菜々子の分身…菜々子が二つに分かれただけ、そぅ、これから俺は、この二つの命を守っていかなければ……。
菜々子の家族は父と兄しかいなかった。
母はもう他界していたので、菜々子の方には、幼子二人の面倒をみる女手がなかった。
俺の母と姉が交代で、未来と未希の世話をしにくる事になった。
そんな時、不幸にまた追い討ちがかかった。
母が自転車で転倒してしまい、ギプス生活となってしまった。。
頼るは姉一人になり…だが姉にも家庭がある身、電車で一時間の道のりを、毎日来る事は困難だった。
それから幼稚園を保育所に変えた。
その内、姉は週に一度、ギプスの取れた母も月に2、3回しか来なくなった。