来る来る廻る
毎朝保育所に送り届け、それから出勤した。
営業の仕事は、終わる時間がその日により、バラバラだった。
仕事帰りに買い物に行き、それから保育所まで迎えに行った。
この世は、どうも女の味方のように思う。
母子家庭は優遇されているが…父子家庭に手当てはない。
営業回りで遅くなった時は、別料金として、保育料がいくらでも加算されていった。
それに家の事は菜々子に任せっきりだったし、仕事と家事の両立はかなり厳しいものがあった。
手っ取り早い解決策として…お金で片付けるようになっていった。
例えば…洗濯物がたまる、子供の着替えが、俺の下着がない…そして買い足す。
子供がぐずる…機嫌取る為、嗜好品やおもちゃを次々与える。
家に埃が舞う、ガスレンジに油がこびり付く…そして掃除屋に来て貰う。
経済状態はピンチ…子供の為に金を残すどころではなくなった。
僅かに入った菜々子の死亡保険金が…だんだん減っていく。
二人の子供抱え、これから金がいる。
このままでは駄目だ。
どう生活設計すればいいのやら……。
そんな時、思い出した。
昔の連れで、現在ホストで結構贅沢に暮らしている奴の事を……。