来る来る廻る
 サラリーマン退職。

昼間は家にいるので、子供はまた幼稚園に戻し、触れ合う時間を増やした。
夕方は、手間隙かけた俺の料理を食べさせ、一緒に風呂に入ってふれ合い、眠くなるまで遊んでやった。

深夜の保育所は止め、家に来るベビーシッターと契約した。

俺の出勤時間に、ベビーシッターが来て交代するという、生活リズムが出来た。

ホストは本業となった。
気持ち引き締めてとりかかる。

天に貼った目標目指し、この世界でだらだらと溺れるような真似だけは避けよう。

尾崎のヘルプからスタート切った俺は…ナンバー2まで上り詰めた。

潔白では、金儲けなんか出来ない…客とは…選択して寝た。

求めに全て応じていたら体はもたない…どの客が金を持っていて、且つ、貢ぎそうか…選択眼は非常に大事な作業だった。

尾崎のアドバイスによりわかった事は…死んでも寝たくない女ほど金を持っているらしい。

  俺は瞑想する。

目を瞑り、今抱いている女は昨日見たグラビアのモデルだと…射精後、そっと目を開ける。

俺の視界に侵入してくるのはガマ蛙……。

込み上げる胃液飲み込み、そして俺は思い描く。
「キッチンバー菜々子」を……。
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