来る来る廻る


佐々木の横顔見て…怒り?憤り? メラメラと火のような感情が生まれた。
誰の、誰の金で、あんた、いい思いしてんのよ!
毎日、好きな物食べて酒飲んで、働かずに遊んで生きていけるのって、いったい誰のお陰だと思ってんのよ!

これは…私の心の声……口では言えない。

たくさんある時は紙切れだと思っていた紙幣…少なくなって初めて気付いた。

  紙の重たさを…。

佐々木に言いたい事は山ほどあった。

でも言えなかった。

言いたい事言って、終止符打たれるのが怖い…佐々木に消えられたら、私はひとりぼっち…誰もいない…連れなんて一人もいない。

そんな恐ろしい事…私は嫌だ。

言いたくて言えない憤り……そこに、憎しみが生まれた。

たまたま私にお金があったから…こんな事に、こんな関係になってしまったの?

人を操るお金が憎い。

もう、どうでもよくなった。

憎い金なんて嫌い……もう全部使いきってやる。

いくとこまで、私はいくから…その時、あなたはどうするつもり?


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