来る来る廻る
俺は、部屋の後始末にかかった。
自分の身の回り品以外、殆んど持って行く物なんてなかった。
古臭い家具や、ぼろぼろの電化製品なども全て処分した。
長く住んだ城……女王は出て行き、残された王子もやっとの事で、引き取り手がついた。
何の未練もなく、古城を後に俺は歩く。
この臭いも今日で終わりだ…その時、携帯の着信音!
またイーグルか…しつこいんだよ、全く。
メッセージ録音するイーグルの声が聞こえてきた。
話? 話って、何なんだよ?
ただ俺に会いたいだけじゃないか…。
着信拒否に設定しようと思ったが…オッと、やっぱり止めておこう、これからはずっとアリスと一緒、携帯見られたら困る。
何で着信拒否なのか、メール受信拒否なのか…余計に怪しく思われる。
そうだ! もういっその事、携帯番号変えよう。
城も捨てたし、女関係も掃除して、心機一転だ。
イーグル、今まで世話になったな、ありがとうよ。
俺はその足で、携帯ショップに行った。