来る来る廻る

  それは自由!

私は自由を手に入れたんだ。

もう何時に帰ろうと、人型は嫌な顔をしない、表で待ったりしない、これを自由と呼ぶの?

初めて手にした自由の海は…とてつもなく広く深く…小さな筏(いかだ)に乗った私の視界は…海と空と水平線しか見えなかった。

  他にも見たい!

海の底はどうなっているの?

水平線の向こうには何があるの?

陸に上がったら何が始まるの?

そうだ、筏から海に飛び込んでみよう!

今だ! 今、その時が来たのね。

あれほど恋い焦がれていた自由じゃない!

自由の海に身を投じてみよう。

私は、明日の飲み会に参加する!

佐々木の歓迎会を兼ねて?

ちょうどいいや、この心の反応の意味がわかるかも知れない。


ワイワイガヤガヤする居酒屋で、私は周りを観察する。

カップルやグループなど、色々様々な会話が耳に入ってきた。

皆、こんな所で、話す事を楽しんでいたんだ。

周りの表情は、皆生気に満ちていた。

私の表情は、周りから見ていったいどう映っているんだろう?

我がグループは、女5人、男3人の計8名様。

野田がしゃきしゃきと、皆を仕切っていた。

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