来る来る廻る

休日はショッピング…店員にコーディネートされるがまま、ファッションアイテムが増えていく。

仕事場の皆は驚きの毎日…恥ずかしさと照れ臭さに戦っていた私も、そのうち…皆の好奇の表情が面白くなってきた。

と言うよりも、私は今、毎日が楽しくてしょうがない。

恋……私の心は中学生…日々、輝く世界。

佐々木を意識しながら、私は変わっていく。

この熱い思いは誰も知らない、私だけのもの。


「店長、今度、二人で飲みに行きませんか?」

不意に、突然に!佐々木に誘われた。

私はたじろいだ…。

こうゆう時、普通はどう答えるの?

  誰か教えて~

生唾を飲み込み、答えた。

「えぇ、いいわよ…」

来たぁ~ついに来た。

二人で…これってもしかして、世間でいうデート?

  三十路過ぎの女
  処女寺の住職
   吉田ひなこ
    31歳

人生最大のイベントがやって来た。


居酒屋で待ち合わせた。

つい最近、ブディックでコーディネートしてもらったスタイルで、いざ出陣。

「店長って、結構オシャレなんですね」

佐々木が言った。

「そうかしら?」

何気なく、私は答える。


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