来る来る廻る
その為、欲しい物は何でも買って貰え、夫のいない妻は…父のいない子供は…物欲で寂しさを埋めていった。
父の来る回数が減っていくのと反比例して、母の中で増えていった感情がある。
それは…私に対する執着心だった。
両親も早くに亡くし、兄弟もいなかった母は、遠い親戚が田舎に僅か残っているだけで、それも冠婚葬祭以外の付き合いはなく、唯一の肉親は子供の私だけ…その為、母は異常と思えるほどに、人からみれば気持ち悪いくらいに、私を愛した。
愛された……。
中学生になり、私はずっと憧れていたテニス部に入部した。
先輩達のボール拾いから始まり、ラケットを手にした私のキラキラ輝く夢を、母は無惨にも握り潰した。
クラブ活動で帰宅が遅くなり、辺りが暗くなり始めた時、母が心配して、学校まで迎えに来た。
それから何回か、母の迎えが続いた。
部員達に対し、何ともみっともない恥ずかしい状況だった。
その状況に、まだ上乗せが付いた。
「プロになれる訳でもないのに、人様の玉拾いで夜遅くまで時間費やして、そんなクラブなんてやめた方がいい!」
父の来る回数が減っていくのと反比例して、母の中で増えていった感情がある。
それは…私に対する執着心だった。
両親も早くに亡くし、兄弟もいなかった母は、遠い親戚が田舎に僅か残っているだけで、それも冠婚葬祭以外の付き合いはなく、唯一の肉親は子供の私だけ…その為、母は異常と思えるほどに、人からみれば気持ち悪いくらいに、私を愛した。
愛された……。
中学生になり、私はずっと憧れていたテニス部に入部した。
先輩達のボール拾いから始まり、ラケットを手にした私のキラキラ輝く夢を、母は無惨にも握り潰した。
クラブ活動で帰宅が遅くなり、辺りが暗くなり始めた時、母が心配して、学校まで迎えに来た。
それから何回か、母の迎えが続いた。
部員達に対し、何ともみっともない恥ずかしい状況だった。
その状況に、まだ上乗せが付いた。
「プロになれる訳でもないのに、人様の玉拾いで夜遅くまで時間費やして、そんなクラブなんてやめた方がいい!」