いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

普通のジャガイモみたいな男子じゃないの。

芸能界にスカウトされて当然。

誰もが振り返り、キラキラ光線で瞬殺されちゃう。

そんな人が、今あたしの隣でにこにこ、にこにこ笑って歩いている。


あたしはちらっと先輩をのぞき見た。


(夢の王子様と似てるんだよねぇ……)


でも、よくよく見れば外見は違う人。

なんだろう??

たぶん、オーラが似てるんだ。

この人の雰囲気が、ちょっと夢の彼に重なるの。


「僕の顔、なにかついているかな?」


先輩の顔がふいに近づく。

あまりの突然な攻撃に、あたしは飛びずさった。


「とって食べたりしないけど?」


いたずらな視線をあたしに投げて、先輩は笑った。


悪魔のほほ笑み。

その笑みに腰が砕けそう。


あたしは先輩の視線から眼をそらすようにうつむいた。


「あの……どうして今日があたしの誕生日だって、知っていらしたんでしょうか?」

大きな花束を持って現れた憧れの先輩の突撃訪問に対しての、正直な質問をぶつけた。

先輩はふふふと笑った。

それからうつむくあたしの顔を覗き込むようにすると「答えなくちゃダメかな?」と答えた。

「いいいいいいいえ! お嫌ならべべべべべべ別に……」

ちょっと勘弁!!

これ以上近づいたら、あたしぶっ倒れちゃいそう!!
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