いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「ユナ!!」
弾丸のようにあたしの名前を呼ぶ声が飛んできた。
その声に、あたしの眠気が一気に冷めた。
あんなに重たかった目が、今はなんともない。
すっきりと軽くなったあたしの視界に、黒い影が飛び込んで。
あたしと先輩の間に立っている彼の瞳に、揺らめく炎が見え隠れ。
シュリ、怒ってる?
「汚いマネをするな!!」
「汚いのはお互い様だろう? 彼女を道具にしようとしているのは、そもそもおまえたちなんだから」
「ふざけるな!! オレたちはおまえとは違う!!」
「いつになく熱いな、おまえ。ま、そこまで言うなら、今回は見逃してやるさ。いずれ、彼女は迎えに行く。それまでせいぜい『ボクの大事な人』を守ってくれよ」
「シュラ!!」
「ああ、ユナくん。ボクはいつでもキミとともに……忘れないで……」
そう言って、先輩はカラス天狗たちをひきつれて、空へと消えていった。