いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
あれは、本当に先輩だったのかな?
あたしの好きだった人だったのかな?
『あたし』の『好きだった』人?
「ユナ!!」
大きく肩を揺さぶられて、あたしは我に返る。
心配そうな顔のシュリがそこにいて、あたしの顔を覗き込んでいる。
先輩は、シュリがあたしを騙してるって言ってた。
先輩は、あたしの力じゃなくて、あたしが必要だって言ってた。
それは……本当なのかな?
こんな顔も、言葉も全部演技……なのかな?
「ユナ?」
ううん。
そんなことない。
そんなこと、絶対にない。
あたしはシュリを信じる。
ううん。
信じたいの。
シュリがあたしを守るって言った。
あの一言を、あたしは信じたいの!!
「ユナ、帰ろう」
優しい彼の声に、あたしは黙って頷いた。
そして、ゆっくりと、彼の大きな背中についていく。