いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「姫様、大丈夫でしたか?」

すぐに追いついてきたユーリに、あたしはにっこり笑ってみせる。


そうだよ。

シュリだけじゃない。

あたしは、この人たちのことを好きになってきている。


だから、信じたいんだと思う。


「って、フランは?」

お城にゆっくり向かいながら、あたしは一人欠けているのに気がついた。

「ほっておけ」

振り返ることもなく、素気ないシュリの一言が返ってくる。

あたしは振り返って、その一言の意味を知る。


「はぁ?」


視線の先にフランがいた。


ヘラヘラ、ヘラヘラ。

軽ーい笑顔を振りまいて、さっき助けた若い奥さんを口説いてる。


(さっきまでのアレはなんだったの?)


あたしの声が聞こえたのか。

それとも聞こえていなかったのか。


「姫さまぁ。一番は姫さまですよぉ♪」


軽ーい、軽ーい言葉をのせて、青髪の軽薄騎士はにこやかにほほ笑んで。


大きくあたしに手を振っていた。
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