いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
動物園?
なんでよりにもよって初デートにそこなのよ!!
真夏の炎天下。
外デートはハードすぎるでしょ!?
気候と緊張のダブルアタックで、体臭は壊滅的な打撃を受けるにきまってる!!
「君がそう言うなら、行こうかな」
「へ?」
「動物園♪」
先輩はチョコレートみたいな甘い笑顔。
「だって、今日は君の誕生日でしょ? だから君はお姫様。僕が王子っていうのはちょっとおこがましいから……騎士(ナイト)ってとこかな?」
「ナイト……!?」
大きな風船が頭の中ではじけ飛ぶ。
この言葉、どういうわけか、すごく引っかかる。
「さぁ、まいりましょう。僕のお姫様?」
蝶が花の蜜に引き寄せられるように。
あたしは差し出された日に焼けた浅黒く大きな先輩の手を、ゆっくりととった。