いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
思わず、身をかがめて胸元をギュッと握った。

手の中にあるものをしばらく握りしめていると。
胸の不安が小さくなる。

なんど、こうしたのか。
もうわからない。

あたしはゆっくりと息を吸い込む。
それから、手を開く。

赤い鉱石。
雫型の鉱石が、キラキラと日の光に反射してる。

先輩から誕生日のプレゼントにもらったネックレス。
この世界にきて、シュリに会って。
シュリが好きだと想う今でも。
どうしても、このネックレスを外せないでいる。

このネックレスに触れた時、安心するの。

睡魔にも似た安堵感。


「ユナ」


不意に声を掛けられて、飛び上がった。

振り向いた先には仁王立ちしたシュリがいた。

「胸でも苦しいのか?」


あの鼻血事件以来。
シュリはすっかりあたしの特異体質に対して、かなり警戒するようになった。

心配してるってことなんだけど。
シュリに関しては、警戒っていうほうがしっくりくる。

「ななななななんでもないよ。
どこも苦しくないし」
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