いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「すごくなんて、ありません。わたくしどもの力など、姫様のお力に比べたら天と地ほどの差がございます」
「天と地ねぇ。でも、使えないんじゃねぇ」
「今は眠っておいでなだけです! 姫様は『獅子王ラエル』様のお力を受け継いだ由緒正しい一族の方。自信をお持ちください」
「アルナの言うとおりですよ、姫様」
「クラウス!」
「ご苦労だったね、アルナ」
「はい、クラウス様。では、姫様。失礼いたします」
獣人の姿から、普通の姿に戻った彼女は、ぺこりと頭を下げると足早に部屋を後にした。
クラウスは今まで彼女が座っていた小さな椅子に腰かけた。
それから、手にしていたマグカップを差し出した。
「なに?」
「いつものユーリ特製ドリンクです。シュリからの差し入れです。『すまなかった』って」
「すまなかって。別にシュリが悪いわけじゃないのに」
あたしはクラウスからカップを受け取る。
一口飲むと、ノドごしすっきり、元気が体の芯から湧き上がってくる。
そんなかんじがした。