いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「姫様に怪我を負わせてしまったことは、変えられない事実ですからね。絶対に守ると誓ったのにと、ずいぶん悔いていました」
「それなら、直接言ってくれればいいのに」
「そう言ったんですがね。合せる顔がないそうで。彼は不器用ですから。こういうところは、フランの垢を煎じて飲ませたいですねぇ」
言いながら、クラウスは苦笑した。
フランの垢を煎じて飲ませるねぇ。
いいんだか、悪いんだか。
シュリに、フランのような社交性はあったほうがいいかもと。
でも、見境なくなるって言うのは勘弁ってかんじ。
「さて、なにから聞きたいですか?」
クラウスが話を切り替えた。
「うーん。シュリって、何者?」
「直球ですねぇ」
「だって。さっきのシュリはシュリじゃなった。あたしの知ってるいつものシュリじゃなった。目も……なんか赤くなってたような気がしたし」
「ような気がしたじゃなく、赤くなってましたよ」
クラウスの表情が一変し、固くなった。