いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

(っていうか、シュリは特別なんだってことだな)


口までお湯につかる。


シュリの気持ちはわかる。

自分とおんなじ境遇だから痛いくらいにわかる。


日本人離れした髪の色。
日本人離れした瞳の色。


小学生の頃から、よくからかわれて泣いていた。

そのたびに、両親は黙って抱きしめてくれた。


あたしには守ってくれる人がいた。

優しく包んでくれる人がいた。


シュリは?

シュリはどうだったんだろう?


そして、今。

あたしは劣等感でいっぱいになっていた。


特別な力があると言われているのに使えない。

期待されているのに、その期待に応えられない。


獣人にも、魔族にもなりきれないシュリ。

日本人にも、獣人にもなりきれないあたし。


あたしたちは似ている。

ううん。

おんなじなんだと思う。
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