いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「部屋に戻ってなかったから見に来てみれば。迷ったのか?」
探してくれたんだ。
と素直に喜べない。
恥ずかしさを紛らせて笑う。
シュリは小さくため息をついた。
「送ってやるから、行くぞ」
黙って頷いて、あたしはシュリの隣に並んで歩きだす。
横目でちらりとシュリの顔を覗き見る。
彼はなにも話さない。
それはなれっこのなずなのに、この間が今はすごく怖い。
どうしてみんなと一緒に笑ってくれなかったの?
喉まで出かかって飲み込む。
聞いちゃいけない気がする。
聞いたら、取り戻せなくなる気がする。
なにを?
なにを取り戻せなくなるの?
だって、こんなに厳しい顔をしたシュリを見たことあった?
聞いてもきっと彼は答えてくれない。
「そうだったか?」とはぐらかすに決まってる。
でも、それなら聞いてみればいいじゃん。
それでこの不安が取り除けるなら、聞けばいい。
ううん。
ダメ!
やっぱりダメなんだって!