いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「ちょっと休もうか? 荷物も重そうだし」

あたしの右肩にずっしりとぶら下がったトートバックを見て、先輩が言った。

なんでこのバック、こんなに重いの?

確か、携帯と手帳。

ハンドタオルと手鏡。

それくらいしか入れてないよね?

マンガも単行本も今日は入れてないよ。


そして、妙なふくらみ。


小動物でも入っているみたい。


まさか……ねぇ!?


いやな予感がちらりと横切りながらも、先輩と喫茶店に入った。

コーラとオレンジジュースを受け取って、真ん中のテーブルに向き合って座った。

空いている椅子にバックを置くと、中からタオルを取り出す。


つもりだったの!!


チャックを開けたその先に、ふさふさしたものがある。


急いで中をのぞく。

見覚えのあり過ぎる赤茶の毛玉。

長い耳。

それはゆっくりとあたしを見上げた。

天使のようなほほ笑みをたたえるそれと目が合った。


(ううううううさぎ――!!!!!)


タオルもない!!

携帯もない!!

手帳も、手鏡ももちろんない!!


ただ、そこにウサギが一匹居座っている。


「ユナくん、どうかした?」

「ななななななな何でもないです!!

 問題なしです!! だいじょーぶ!!」
< 17 / 274 >

この作品をシェア

pagetop