いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「シュリに元の世界に帰すと言われましたか?」


カレンの言葉に自然に体が強張った。

カレンはあたしの髪を優しくなでながら「困った子です」とつぶやいた。


「あの子のことだから、貴女を『要らない』とでも言ったのでしょう」


カレンはあの一言をさらりと当てて見せた。


シュリのことならなんでも分かる。

そんな確信みたいなものをカレンの言葉に感じた。


思わず顔をあげてカレンを見る。


彼は困ったように、眉尻を下げて苦笑した。


「大正解。ということですね」


なにも答えないこと。

それが答えだと、彼は言わんばかりだった。


「あの子はね、それでいつも損をするんです。本当に伝えたい言葉は呑み込んで、裏腹な言葉を相手に返す。

相手に誤解をされたとしても。

自分さえ我慢すればいい。
自分が責任をかぶればいい。

そうやって、なにもかもを諦める。昔からの悪い癖です」
< 172 / 274 >

この作品をシェア

pagetop