いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「シュリに元の世界に帰すと言われましたか?」
カレンの言葉に自然に体が強張った。
カレンはあたしの髪を優しくなでながら「困った子です」とつぶやいた。
「あの子のことだから、貴女を『要らない』とでも言ったのでしょう」
カレンはあの一言をさらりと当てて見せた。
シュリのことならなんでも分かる。
そんな確信みたいなものをカレンの言葉に感じた。
思わず顔をあげてカレンを見る。
彼は困ったように、眉尻を下げて苦笑した。
「大正解。ということですね」
なにも答えないこと。
それが答えだと、彼は言わんばかりだった。
「あの子はね、それでいつも損をするんです。本当に伝えたい言葉は呑み込んで、裏腹な言葉を相手に返す。
相手に誤解をされたとしても。
自分さえ我慢すればいい。
自分が責任をかぶればいい。
そうやって、なにもかもを諦める。昔からの悪い癖です」