いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
その瞳があたしをゆっくりと捉える。
あたしはカレンの目を真っ直ぐに見れなくて、すぐに目を伏せた。
あたし、本当は誰でもよかったんだ。
さっきのことは『本心』じゃないって。
シュリじゃなくても。
他の誰かでも。
言ってくれる人なら誰でもよかったんだ。
ただ単に否定してもらいたかっただけで。
ずるくて。
浅ましくて。
やな女。
「姫様はあの子の気持ちが知りたいでしょう? だから、部屋を出たんじゃないですか?」
あたしの心を見抜く銀色の瞳が光る。
ごくりと唾を飲み込んで見上げたカレンの顔は背筋がゾクゾク寒くなるほど妖艶で、心臓をギュッと縮ませる力がある。
「カレン……あたし」
もう部屋に戻らなくちゃ。
そう言おうとしたあたしの言葉をさえぎるように、彼はあたしの背中の向こうにある闇に向かってこう言った。
「もう出てきても構わないですよ。シュラ」