いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
『ナニモ考エルナ』
強い片頭痛に、あたしは思わずその場にうずくまる。
『ソノ手ヲトルコト。ソレガ最良ノ道』
頭の中を撫でまわす感触。
意識がぼんやりとしはじめる。
あたしの視線の先にいる、銀色の青年の姿が霞みはじめるとあたしは座ることすらできなくなった。
ヒョイッと体が軽くなる。
地面についていた膝も、足も、手も離れ。
それはどんどん遠くなる。
(シュリ……)
遠のく地上と意識の中で、あたしはシュリの名を呼んだけど。
彼の姿を見つけることなんて出来なくて。
失意の中、美しい王宮も小さくなって。
やがて、何も見えなくなった。