いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
生暖かい風が頬をなでていた。
なんとなく気持ちが悪くて、あたしはゆっくりと目を開けた。
「ひゃぁぁぁぁっっっ!」
あたしの体は恐ろしく高い場所にあった。
眼下には冷えた溶岩の塊を、いくつもいくつも重ね合わせたような三角形のお山状の城。
その壁には、同じ数だけの顔がある。
どれもが苦痛に顔をゆがめ、大きな口を開けている。
その口からは、絶えず黒い集団が出入りしていて、その姿は食べ物を運ぶ蟻の大行列に似ていた。
一言で表すなら、『グロい』。
獣人の国とは天と地ってかんじ。
「目が覚めたかな? 降りるから、暴れないで」
先輩はあたしの体を起こすように抱えなおすとゆっくりと、お山の頂点にある顔の口から出た舌の上に降り立った。
恐る恐る足をつける。
舌だけど、ゴツゴツしてる。
溶岩コーティングしてるからかな?