いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~

「ボクの後についてきてくれる?」

先輩に言われ、あたしは黙って頷いた。


だって、仕方ないじゃん。
ここには先輩以外、知ってる人なんていないんだもん。


周りを警戒しながら、先輩の後をついていく。


暗い洞窟のような廊下は蟻の巣のように複雑に入り組んでいる。

グランディミュール城よりも、もっと複雑。

ひとりで抜け出すのは難しそう。


最悪。


それにしてもさっきからあたし、軽いめまいしっぱなし。

シンナーみたいな臭いが充満してるし。
中毒になっちゃいそう。

袖で鼻と口を押さえてみる。
前を行く先輩はなんともないみたい。
サクサクと前を歩いていく。

慣れてるんだ。
この環境に。

そりゃそうよね。
だって、この国の王子様っていうくらいだもん。


「さぁ、もうすぐだよ」


先輩が振り向いてそう言った。
あたしは黙ったうなずく。

しばらくすると、迷路地獄から開けた場所に出た。
< 186 / 274 >

この作品をシェア

pagetop