いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
「ボクの後についてきてくれる?」
先輩に言われ、あたしは黙って頷いた。
だって、仕方ないじゃん。
ここには先輩以外、知ってる人なんていないんだもん。
周りを警戒しながら、先輩の後をついていく。
暗い洞窟のような廊下は蟻の巣のように複雑に入り組んでいる。
グランディミュール城よりも、もっと複雑。
ひとりで抜け出すのは難しそう。
最悪。
それにしてもさっきからあたし、軽いめまいしっぱなし。
シンナーみたいな臭いが充満してるし。
中毒になっちゃいそう。
袖で鼻と口を押さえてみる。
前を行く先輩はなんともないみたい。
サクサクと前を歩いていく。
慣れてるんだ。
この環境に。
そりゃそうよね。
だって、この国の王子様っていうくらいだもん。
「さぁ、もうすぐだよ」
先輩が振り向いてそう言った。
あたしは黙ったうなずく。
しばらくすると、迷路地獄から開けた場所に出た。