いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
おいおいおいおい。
話し方、変わってきてなぁい?
なんか、すっごい腹立ってきた。
「あれ? 怒ってる? でも、仕方ないよ。もとはと言えば、キミの先祖である『ラエル』が悪いんだから。この国の土地を奪ったのは、そもそもキミたち獣人なんだから」
「それとあたしと結婚するってことは、どう関係するって言うんですか?」
たとえ獅子王『ラエル』が『略奪者』だとして。
その血を引くあたしと結婚することにどんな意味があるんだろう?
憎い相手と結婚するほど、その土地に執着があるのか。
それなら別に、こんな方法とらなくたっていいじゃん。
あの国は病気で崩壊寸前なんだし。
それを待って、自分たちの領土にしたっていいはずなのに。
「あたしは女王になるつもりないですから。こんなあたしと結婚しても、なんのメリットもないですよ」
『女王』に『即位』するつもりはないんだから、あたしの価値ってば『0』(ゼロ)でしょうよ。
あたしを使って、あの国を脅すにしたって、あたしはもともと捨て駒なんだし、意味あるの?
そんなあたしに親子は揃って腹を抱えて笑いだした。
「な~んにも聞かされてないんだねぇ、キミは。キミが『女王』になろうが、なるまいが、そんなの関係ないんだよ。儀式さえ済めば、キミの価値なんてないんだ。
それに、儀式さえ済めば、後はキミの騎士たちが、キミの国の法にのっとって、ボクを新しい王にしてくれるんだから」
儀式?
価値がなくなる?
それってホラー映画なんかで、生贄にされちゃう美女みたいなもの?
いや、あたしの場合。
美女じゃなくて『ネコ耳コスプレ』の女子高生か。