いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
好奇の視線が突き刺すみたいに。
あっちやっこっちから飛んでくる。
中にはヤバそうな目をしてるのもいて。

『喰ったら美味そう』

なんて、物騒なこと言っちゃってる。


あたし、考えてなかったけど。
この式が終わっちゃったら。

『もう用なし』

とか言われて。
頭からバリバリ食べられちゃったりするのかな?

大丈夫。
……な保証なし。


額に妙な汗がにじんでくる。
手袋の下の掌が、じっとりと汗ばむ。

ヤバいヤバいヤバい。
汗なんかかいて、テープがはがれちゃうなんてこと、ないよね?

あたしはちらりと隣の王子を見る。
あたしの微妙な変化に気付くでもなく。
涼しいお顔で隣に並んでる。


ベールで顔が隠れててよかった。


「では、これより我が息子シュラと、獣人の姫との婚礼の儀を行う。
両者は向き合いなさい」



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