いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
足元に群がるトカゲ魔族を蹴散らし。
空を飛び交うカラス天狗をなぎ倒し。
彼らはひたすらまっすぐに、あたしの元へと向かって来てた。
「諦めの悪い連中だねぇ。ムダなのに」
シュラはあざ笑うように、クッと口の端をあげて見せ、あたしの腰を引き寄せた。
「さぁ、どうしてやろうねぇ、姫?」
あたしの顔に自分のを寄せながらシュラは空へと舞い上がると、ちっちゃいおっさんの傍らに降り立った。
「シュラ! あれはシュリなのか!」
「ええ、父上。ご報告が遅れましたが、あれは間違いなく不肖の息子、シュリ本人ですよ」
フショウノ息子?
息子ぉ!?
どういうこと?
シュリのパパはカレンでしょ!?
違うか!
カレンはシュリの養父(ままちち)。
「獣人の姫を取り戻しに来るとは。アイツには本当にワシの血が流れているとは思えんな」
「所詮、ヤツは先代女王の影武者の子ですから。卑しい血は高潔なる血をも汚すのですよ」
おいおーい!
ちょっと待って、ちょーっと待って!