いとしのネコミミ騎士(ナイト)さま!! ~イケメン騎士軍団と砂の国~
足元では、騎士団のみんなが群がる魔族たちと戦闘を繰り広げていた。
「獣人化してもムダだねぇ。多勢に無勢って言葉も知らないのかな? 敵の本拠地にたった五人でやってきて、何ができるって言うんだか。ま、他の雑魚騎士が来たって、ムダがさらに増えるだけだけどね」
パチンッ――!
シュラの指の音に、魔族たちの動きが一斉に止まった。
二度目にシュラが指を鳴らした時には、ヒソヒソヒソヒソ、なにかを呟きながら数歩後退した。
「どーも、女王騎士団の諸君」
「シュラ、ユナを返してもらう!」
「なーんだ、シュリ? 兄弟であるボクを祝福しないと死ぬに死ねなかったのか?」
「もう一度だけ言う。ユナを返してもらう!」
「そんなのさ。言われなくても、用さえ済んだら放してやるさ」
シュリの瞳に明らかに、怒りが見えた。
シュラは鼻先で笑い、あたしの顎をグイッと掴んだ。
力加減なんかしてくれない。
強引にシュラはあたしの顔を自分の方に向け、顔を近づけた。
テープは貼ってる。
だから、キスは守れる。
でもでもでも。
イヤ!
シュリがいるのに!
そこにシュリがいるのに!
このまま、キスなんかしたくないよ!!
――抗ウナ!
ズキリッ!
頭をハンマーで殴られたような強烈な痛みが襲った。